■2005.10.13 那須山頂で紅葉はじまる (その6)
■ 下山
さて ふりかえると、ガスが出てきていた。水蒸気による散乱で視界がかすんでくることを登山用語で 「ガスが出る」 という。晴れた日の午後にときたま見られる現象で、これがあるために山の写真を撮るなら午前中に撮れ、といわれる。
日も随分西に傾いてきた。それにしても、ガスった状態での山々の重なりも、これはこれで幻想的でよい風景だと思う。
西日のなか、峰の茶屋跡まで到着。
ここからは、茶臼岳東側斜面を朝日岳(矢印)を見ながら駐車場方面に下りていくことにする。
実は朝日岳の東側斜面もまた紅葉のスポットなのである。……しかしもう既にずいぶん日が傾いている。果たして、間に合うかな?
とにかく、すたこらさっさと進む。うわー、剣ヶ峰の影が朝日岳にかかってきてしまった。
植物の多い南東側斜面が見えてきた。もう、どんどん進む。すたこらさっさ・・・
茶臼岳側をみると、もう完全に日が陰っている。うおお・・・
朝日岳を見るなら峠の茶屋の少し下にいいポイントがあるのだが…果たして間に合うだろうか。
■ 帰路は遠かった
ようやく峠の茶屋駐車場に着いたときには、すっかり駐車場は山の影になっていた。
そこから少し下って、定番スポットにたどりついたときには、既に日は暮れる寸前だった。・・・まあ、いつも順光で撮るばかりが写真でもないだろう。これはこれで悪くはないか・・・(^^;)
そのまま、暮れ行く山肌を見ていた。・・・風の音すらない、静かな夕暮れだった。
さて、その後がまた大変だった。駆け足で降りてきて足が痛くなっているうえに、クルマは遥か下の大丸温泉である。途中ロープウェー駅で一休みでも・・・と思いきや、すでに営業終了(笑) 仕方がないので一気に歩いて下り、クルマのなかで缶コーヒー片手に足を伸ばした。やれやれ。
■おまけ
帰路、日のとっぷりと暮れたボルケーノハイウェイ展望台から、黒磯方面を眺めてみた。夜景が美しい。画面左下の明るい部分は殺生石のある湯元温泉である。
いっぽう、これが山側の夜景である。明かりは2箇所しかない。左側は峠の茶屋(山頂駐車場のあるところ)、右側は大丸温泉。文明が進んだといっても、まだまだ人の支配は完全には及んでいない。・・・そんなことを感じてみた。
<完>