2006.04.16 大沼園地:ミズバショウ咲く
合併によって今は「市内」になった旧塩原町でそろそろミズバショウが咲いているはずなので行ってみましたヽ(´ー`)ノ
さて政府の推進する市町村合併(平成の大合併)の波に乗って新生 "那須塩原市" が誕生して1年が経過した。地元の人間はまだ黒磯、西那須野、塩原とそれぞれのエリアを呼称しているけれど、ゆくゆくは "那須塩原市民" としてのアイデンティティが形成されてゆくのだろう。
とはいえ、今回はそんな哲学的なテーマではなく、単に水芭蕉を見に行こうという小ドライブの短稿になる。 行先は大沼である。
天候はいまひとつ優れない。ときどき薄日は差すものの、どんよりとした曇り空の日である。 それでも出かけるのは水芭蕉の見頃は桜並みに期間限定で、来週まで待ったのではおそらく遅すぎるからだ。
まずは毎度起点としている那須塩原市から駅前道路を直進する。
高林からは那須塩原横断道路を塩原方面に進む。ここでは桜はまだ開花していない。桜前線はここの一歩手前あたりでゆるゆると足踏みをしている。
さらに関谷の交差点から渓谷沿いにR400を進む。まだ新緑の季節ではなく、枯れ木がつづ中、ちらほらと芽吹きが見られるくらいだ。
道路沿いには気の早いヤシオツツジが咲き始めている。「あれ? ツツジって桜より後じゃなかったっけ……」 と思う方は、おそらくヤマツツジを想像しているのだろう。ツツジには種類が多く、ここで咲いているのは早咲きのヤシオツツジだ。こいつの開花は桜よりずっと早い。
温泉街からもみじラインを抜け、途中の分岐を登る。まだいくぶんの残雪がある。
■大沼園地
まもなく大沼園地に到着。地図をみると沼の方が主役にみえるが実は水芭蕉は駐車場にほどちかい湿地帯に分布している。
ちなみにここは、園地といっても自然の沼地に遊歩道があるだけの簡素なものだ。英語では園地は ピクニック・サイト と訳されている。筆者的にはピクニックというのはもっと牧歌的なもので、ここの実態は耐寒訓練とかサバイバルゲームの闘技場みたいなイメージなのだが…まあ細かいことは問わないでおこうか(笑)
水芭蕉の自生地は特に迷うこともなく標識に従って行けばよい。
その先には沼に流れ込む小川の流れがあり、その周辺が湿地帯になっている。
おお、あった、あった。 あれが水芭蕉だ。
ミズバショウはザゼンソウと同じくサトイモ科の植物で、東シベリア~カムチャツカあたりから日本の北陸~中部山岳地のあたりの山岳地に分布する。西日本にはほとんど見られない。
関東地方だと自然の群生地は群馬~栃木の山岳部に限られる。尾瀬の水芭蕉が知名度では圧倒的だが、栃木県内にも飛び地のようにちょこちょこと群生地があり、ここもそのひとつだ。
写真では分かりにくいが、植物園で見るより小型の株が多い。高さにして20cmにも満たない程度だ。栄養過多になるとすぐに巨大化してしまうけれど、本来のサイズはこんなものなのだ。
川の流れに添って点々と分布する水芭蕉。周囲はまだ枯草色で雪も残っているのに、健気なものだな。
さてせっかく来たのだから大沼も見ていこう。大沼の北半分は葦原となっている。奥に見えるのは富士山(1180m)である。小さい山だが向こう側に火口があり、温泉も沸いている。
沼の南側は水位もそれなりにある。しかし新緑には早すぎるようで、まだオフシーズンという感じだな。 なにより人が誰もいない。
もうすこし歩き回ろうかと思ったけれど、木道が水没しているうえに小雨がぱらついてきたので、本日は撤退することにした。 ……まあ当初の目的である水芭蕉は確認できたのでヨシとしたい。
<完>