2006.04.22 沖縄旅行記(その2)
■2日目
さて2日目は東シナ海を眺めながら北上するルートを行く。名護を経由して本部半島の先端部にある国立沖縄記念公園を目指すのである。
公園は非常に広いのだが、その中でもミーハー的に人気の高い美ら海水族館をメインターゲットとし、途中でつまみ食い的にちょこちょこと沿道に立ち寄ってみよう。
しかし空は相変わらずの曇天…_| ̄|○
まあ、あわてても仕方がないのでゆっくりと朝食をとりコーヒータイム。予報では今日は降水確率60%の雨模様だという。 とはいえ沖縄の天気予報は外れることでも有名らしいので、そっち方面で多少は期待(?)したいところだ。
明け方まで降っていた雨に濡れたハイビスカス。4月から咲いているんだなぁ。
さてゆるゆると寛(くつろ)いでいる間に9:30を回ってしまった。あまり遅くなりすぎるのもアレなのでそろそろ出発しよう。
■ R58を北上する
そんな次第で行動開始。まずはR58を北上することにする。
走り出すとすぐに干潟があらわれた。谷茶~南恩納にわたる海岸保全区域だ。ちょうど引き潮の時間帯なので珊瑚砂の海底が見えている。降りてみると、人が積極的に管理しているビーチではないためか、大小の珊瑚の破片が散在し小さな貝類がたくさんひしめいていた。
足元にはこんな貝殻がたくさん落ちている。
えーと…これは生きている珊瑚かな。こんなふうに岩に定着して枝葉を延ばしていくのか。これが巨大なサンゴ礁を形成するにはどのくらいの時間が必要なのだろうねぇ。
【万座毛】
R58をもう少し進んで脇に逸れ、万座毛に寄ってみた。沖縄の西海岸に広がる景勝地のひとつだ。
案内板には沖縄海岸国定公園と書いてある。これは沖縄本島の那覇以北の西海岸をほぼそっくり含む巨大な公園で、米軍統治下にあった昭和40年に当時の琉球政府が指定したものだ。万座毛はそのほんの一部に過ぎない。
ここは石灰岩の断崖の上に、広い芝地が広がっている。人が植えたものではなく、本物の天然芝だそうだ。かつて琉球王尚敬が "万人を座するに足る" と詠んだことから万座毛の名がついたという。
芝は環境の厳しいところでも生育でき、樹木のすくない海岸で岩場を覆うように繁茂する。それがちょうど海岸を独占するように広がったのがこの付近の海食台地だったということらしい。
崖は侵食が進んで独特の景観を示している。ここはよく旅行のガイドブックに載っている 「ゾウの鼻」 である 。高さは30mくらいはあるだろうか。
海の色は肉眼で見る限り本当にきれいだ。ただ水面の反射がつよくて写真映りはいまひとつぱっとしない(^^;) 今回は偏光フィルターを持参していないので、ちょっと失敗したな。
崖から浜のほうをみると、夫婦岩がみえた。注連縄が張ってあるところを見ると、やはり沖縄というのは中華文明圏というより神道的な宗教観のあるところなのだろう。
調べてみると、案の定沖縄には日本神道の影響があったようだ。15世紀、第一期尚氏王朝時代に尚泰久王が日本から天照大神を勧請しているのである。
当時、那覇は首里から切り離された島で、首里から堤を設けて陸続きにする工事が行われていた。これが難工事であったため、日本本土より天照大神を勧請したのである。その後工事が完成すると、泰久は大いに喜び沖縄最初の神社 長寿宮 を建立、その後も神社は増え最終的には琉球八社といわれるまでになった。その八社とは、波上宮(那覇市)、沖宮(那覇市)、識名宮(那覇市)、普天満宮(宜野湾市)、末吉宮(那覇市)、安里八幡宮(那覇市)、天久宮(那覇市)、金武宮(金武町) である。そのほとんどが首里および那覇の近郊にある。
万座毛から地理的に近いのは金武宮だが、ここは鍾乳洞がメインでこの夫婦岩とは直接的な関係はなさそうな気がする。あとで気が向いたら調べてみよう。
※ちなみに那覇と首里の間の海峡は明治時代に埋め立てられており、現在では那覇が島であった頃の面影はない。
ところで万座網の土産物店にはウミガメの剥製がズラーリと並んでいるのが気になった。……これって、ワシントン条約的には平気なのだろうか?
【かりゆしビーチ】
さらに進んで名護市にはいったあたりに、かりゆしビーチという砂浜があった。R58から眺めるとちょっとイイカンジだったので寄り道してみる。
ここは本来は有料のビーチなのだが、係員氏曰く撮影だけなら無料で入って結構ですよとのことだったので、ありがたく入らせていただいたヽ(´ー`)ノ
砂浜に出ると、ちょうど日が差してきた。おお、いつのまにか雲が晴れて来ている…!
そして海の色が本来のエメラルド色を取り戻した。これは素晴らしく美しい。
天気予報が雨だったせいか、ほとんど人のいないビーチ。
空の色は真っ青という感じではなく微妙に白っぽく霞んではいるけれど、日差しがあるのと無いのとでは海の色が全然違う。やはり南国の海は、こうでなくては…ヽ(´ー`)ノ
少し進んで岩場に降りてみた。緑色になっているのは現地でアーサと呼ぶ海草らしい。アーサとは、いわゆるひとつのアオサ(海苔)で、ちょうど3~4月頃が季節なのだそうだ。これがもう、そこら中に打ち上げられている。味噌汁にいれてそのまま食べられそうな感じだな。
※ちなみに海苔(特に味噌汁に入れる生の海苔)を消化できるのは海藻を日常的に食べる習慣のある日本人くらいのもので、外国人はダメらしい。
浜には、もう昼近いというのにアサガオが咲いていた。
アサガオの原種は亜熱帯~熱帯に自生する青い花とされる。このあたりで見かけるアサガオは例外なくみな青いので、原種に近いものなのかもしれないな。
さてあまりゆっくりしている時間もないので北上を続けよう。
R58からは本部半島がみえる。向こうの海岸まではおよそ5kmだがすっかり白く霞んでいる。湿度が高く、水蒸気以上~霧未満くらいの細かい水の粒が漂っている感じだ。
日差しはあるけれど快晴とはいえず、いつこの霞が濃くなって曇天に戻ってしまうかは微妙なところだ。……ということで、日差しがあるうちに本部半島の先端部、瀬底島と沖縄記念公園に達すべく、当初立ち寄ってみようかと思っていた海中公園はパスして先を急ぐことにした。
<つづく>
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