2006.10.08 紅葉はじまる
そろそろ紅葉だろうということで、姥ヶ平を目指してみました
異常に発達した低気圧(中心気圧960hPa→下手な台風より強力)が停滞しているおかげで全国的に暴風雨が吹き荒れている週末。状況はあまり良いとは言えないけれど、風と雨も峠を越したかな……ということで、午前5:30に出発してみた。
しかし山を登っていくと状況は芳しくない。真っ黒な雲がごんごんと流れ、いまだに雨模様。天気予報では今日は関東地方は晴れるといっていたけれど、北陸は大荒れのままのようだ。やはり山沿いだと天候状況は一筋縄ではいかないか・・・
ロープウェイの駐車場に到着したのは午前6:30だった。
もう日は出ている時間なのに雲は厚く暗い。それよりも山を越えてくる猛烈な風がなかなかしんどい。 クルマを停めて缶コーヒーを飲んで暖をとるが、1.5tもあるエクストレイルがまるで寝台列車のように揺れまくっている。これはしばらく天候が安定するまで待ちかなぁ。
雲は山を越えて平野側に抜けると多少なりとも薄くなっているらしい。多少は日も差しているようだ。まあ慌てても仕方がないのでここは待つことにする。
そんな訳で仮眠モードに…zzz
ん~~風が収まらないなぁ・・・と思いながら、10:00まで待ってみた。この時間になると一般の行楽客のクルマがいつもの渋滞にハマっている。……が、天候は回復せず、空は暗く風はいよいよ猛烈な勢いになってきていた。
とりあえず、せっかく来たので山の写真を撮ってみる。これは鬼面山。実際にはかなり暗いが思い切りプラス補正で空を消し飛ばして紅葉の色を出してみた。どうやら今年の紅葉は昨年より1週間ほど早いらしい。ここがこれだけ色づいていると、姥ヶ平はもうピークを過ぎてしまっているだろうな。
これは茶臼岳の東面。ゆるやかに侵食の進んだ斜面に笹と紅葉のコントラストが美しい。流れる雲間からときおり日が差して、わずか2、3秒たらずのスポット光が斜面をなめていく。これはその瞬間を捉えたもの。
風はいよいよ強く、真っ直ぐ歩くのが困難なほどに強まってきたので駅舎内に避難してみた。当然のことながらロープウェイは運休している。
駅舎内はフル装備の登山客でごったがえしており、耳をそばだてると口々に 「今日はダメだねぇ」 などと話している。 ……まあこの荒れようでは是非もなし。
仕方が無いので、売店でうどんを食いながら、もう少し様子をみることにした。ごうごうとうなる風音を聞きながらぼーっと待つ。時間が有り余りすぎ。暇で仕方がない。
暇だと余計なものに目がいってしまう。クマ注意報の下に新たにサル注意報が出ていた。なになに 「荷物を奪うために石や物を投げつけてくる場合があります」 ・・・?! そんなにここのサルってインテリだったっけ?
クマの出没例も写真入で紹介されていた。ロープウェイのすぐ下の斜面で目撃例が相次いでいるらしい。ちなみに今年県内でハンターに駆除されたクマは既に60頭を越えている。今年はクマの当たり年?という話を聞いた。
…うーん、それにしても天候が回復しない。どうしようか、と思っているとロープウェイの職員氏がハンディスピーカーで登山客に呼びかけを始めた。
「えー峰の茶屋付近の風速は、秒速50mを越えております。素人の登山はたいへん危険です~!」
50m…!?( ̄▽ ̄) ちなみにロープウェイ山麓駅=いま居るところで現在の風速が40m/秒を越えているという。これはちょっと、風流に紅葉狩りどころではなさそうだ。
仕方がないので、甚だ不本意ではあるものの撤退することにした。まあ天候ばかりは仕方がない。 風神様のご機嫌がよくなっかたと思うことにしよう。
山を降りると、風はずいぶん和らいでいた。紅葉狩りがいまひとつパっとしなかったので鷹の湯温泉で一風呂浴びて撤退。来週末には大丸温泉あたりが見頃だろうか・・・
<完>
■追記
ちなみに台風の強さを検索してみたら、最大風速50mを超えるのは戦後で3つしかないらしい。
・1965年9月10日 69.8m/秒 室戸岬 台風23号
・1966年9月5日 60.8m/秒 宮古島 第2宮古島台風
・1977年7月31日 53.0m/秒 石垣島 台風5号
なんだか今日はものすごい体験をしたのかもしれないな。