2007.04.01 桜咲く
宇都宮ではそろそろ桜が見頃らしいので、ちょっと南下して開花状況を見てまいりました。
南下といっても半日ドライブで宇都宮まで行くのはちょっと遠いので、喜連川あたりを目標に軟弱な行程でゆるゆると偵察してみた。
TVニュースによると4/1現在、桜前線は福島県内を北上中という。ただし福島県内といっても桜前線が進んでいるのは暖かい海沿いの小名浜方面であって、内陸部はワンテンポ遅れていくのが通例である。その第二戦線の先頭付近が、ようやく栃木県の中ごろまでやってきているらしい。
■鹿野崎~下中野付近
さてここは那須塩原駅から北に4kmほど寄った厚崎近郊。標高は300mほどあり、桜はまだ開花の気配すらない。
那須塩原駅の南側、ブリヂストン工場沿いの桜並木は、ようやくちらほらとほころび始めたかという程度である。奥に見える白い花はコブシで、桜に先行すること1週間くらいで咲き始める花だ。
■大田原市街地
大田原の中心市街までやってくると綺麗に咲いた桜が散見されるようになる。これは愛宕神社の桜。市内では経塚稲荷の桜と並んで比較的早咲きの個体だ。状況はほぼ満開で、どうやら桜前線の先端はこのあたりにあると思ってよさそうかな。
続いて美原公園をかすめていく。大田原で花見の名所といえば城山公園と美原公園が有名だが、花付きは2分咲きくらいかな。ちょうど花見の提灯の取り付け作業をやっているようで、しかし作業員の姿がみえないところをみると余裕綽綽のゆったりモードでいるらしい。
見ればつぼみは目一杯ふくらんでいる。暖かい日差しがもうあと2、3日も続けば一斉に咲きそうにみえる。本格的な花見は来週末くらいがちょうどよさそうかな。
■親王台
さて 野崎街道を下って親王台までやってきた。一区町の最南端部である。
ここの桜は1~2分咲きくらい。桜も人間と同じく早熟タイプと大器晩成タイプがあるようで、ここではやや咲き方が遅いようだった。
ちなみに親王台とは、この塚に由来する地名である。塚と言っても誰かの墓という訳ではなく、周囲を見渡すためのちょっとした盛り土が史跡となったものだ。実はここは明治14年の明治天皇の東北巡幸の際の立ち寄り場所で、実際には明治帝ではなく代理として栖川宮熾仁親王が訪れて、ここに登って那須野が原を視察した。その後には明治18年、那須疎水開通式に訪れた北白川宮能久親王もここに上っている。
どんな眺めなのか、筆者も塚に上って見晴らしてみた。わずか3mほどの塚ではあるけれど、結構視界が通る。もう少し桜がイイカンジになれば、きっと風流な開拓地のプチ俯瞰図が見られたりするのだろうな。
■佐久山~喜連川
さてさらに南下して、佐久山の正浄寺に至った。ここは枝垂桜がイイカンジで咲いている。…が、結構な時間を食ってしまっていることに気付いたので、先を急ぐことにした。
そして喜連川に到着したのは、もう日も傾いた午後遅くであった。通りが通行止めになっていて 「なんだろう?」 と思ったら、ちょうど桜祭りの最中だった。
満開…というには今一歩だけれど、6~7分咲きにはなっており花具合はまあまあイケている。
小腹がすいたので、テキヤで久しぶりの大判焼きを買ってみた。それを頬張りながら、つかの間の春の風情を堪能してみる。
…それにしても、わずか30kmばかり南下しただけでこんなにも咲き具合に差が出るというのも興味深い。桜前線というのはテープや縄張りのような "境界線" が進んでくるのではなく、どうやらもっとやんわり、じんわりと濃淡を含んだ領域が広がってくるようなものらしい。これが那須塩原~大田原付近を覆うのが、どうやら今後一週間くらいの間になるのだろうな。
・・・ということで、本日はここまでで撤退ヽ(´ー`)ノ
【完】
■おまけ
親王台の近くで、大型の猛禽が獲物を狩っているところに遭遇した。カメラを構える前に逃げられてしまったのだが、羽根を広げると軽く1m以上はありそうなヤツだ。路上には気の毒な?被害者の死体が転がっていた。
下手人は獲物が惜しいのか上空をぐるぐる旋回している。筆者は鳥には疎いので、これが鷲だか鷹だかトンヴィだかコンドルだか(さすがにそれは無いか^^;)は分からない。ノスリよりは明らかに大きく、もしかすると天然記念物のオオタカだったりするのかもしれない。
お亡くなりになったのは雁?のようだ。内臓を食われようとしたのか、腹部に鮮血が見える。こういう捕り物はもっと山奥で行なわれているものと思っていたけれど、普段気がつかないだけで意外と身近にあるのだなぁ。
とりあえず、ネギなしのカモ氏に合掌。南無南無。
<完>