2007.10.06 紅葉はじまる:那須 姥ヶ平(その2)







姥ヶ平に降りる沢筋で、おそらく一番色づきのよいであろう木を撮ってみた。こうやって切り取るといかにも "紅葉の季節です" という感じになる。大風景を撮ろうとすると無理がある状況でも、小景を探せば絵になるアングルはある…ということだな。




ナナカマドの実は個体差はあまりなく、皆一様に鮮やかな赤色になっていた。秋の風情を演出するなら、こういう一足早く色の乗った被写体を探すのも良さそうだ。




足元をみると、岩を割って生えている小さな木の中にも色付きの良いものがある。




これはこれで、坪庭のような趣があるな。




さて姥ヶ平まで下ってきた。うーん、やはり色のノリ的にはまだ早かったか。 下から見上げればまた違った見え方になるか…とも期待したのだけれど、そういうものでもなさそうだ。

…見ればいつの間にかすっかり上空は曇ってきている。 輝度の高い薄曇りの空で、こういう空が背景に来ると、空を入れた写真は雲の明るさに引っ張られて露出が狂い、ドス黒くなってしまう。




そんなとき、最も簡単な対処法は "構図に空を入れない" ことだ。 ダイナミックレンジを空の明るさで食われることなく紅葉の色の再現に目一杯割り当てることで、ドス黒い写真になることを回避できる。




そうはいっても、どの木も色づきがイマイチなので被写体を選ぶのにも迷う、迷う・・・(笑)




近景においしいところが少ないので、望遠300mmでハイマツ原を狙ってみた。 赤と黄がもう少しよく染まってくれば美しい色彩比が見られそうだ。明け方の冷え込みが強すぎると霜がおりて色がくすんでしまうので、適度な冷え具合であと一週間ほど持たせてほしいところだな・・・。




■ひょうたん池へ



さてせっかくなのでひょうたん池で逆さ那須でも・・・と思ったのだけれど、やはり色が乗らないのでなんとも冴えない(笑) 風があって水面がなかなか鏡面になってくれないのもイマイチか。



そんな中でも、足場に近い木が例外的によく染まっていた。これで波がなければ最高なんだけれど、まあ贅沢は言わずにカメラに収めておこう。

これを撮ったところで、今回は撤収フェーズに入ることにした。



帰路は、登山道からすこし外れて別の沢筋を登る。ところどころに局所的にイイカンジのポイントがある。 こうしてみるとヤブ漕ぎしながら沢登りというのも悪くはないかも・・・などと思ってみた。



 

■牛ヶ首経由で帰還



牛ヶ首まで戻り、ちょっと浮気して谷底方面に100mほど降り、茶臼岳の南側斜面を遠景で捉えてみた。これは一瞬日がさしたタイミングで撮ったもの。 やはりもうあと数日待ちたい色具合だが贅沢は言うまい。やはり風にあたる面で色のノリがよさそうかな。




さて期待した割にイマイチだったけど、リベンジするとなると次はいつごろが良さそうだろう。天候によりけりだけれど、来週末では微妙に遅すぎるかもしれない。判断に迷うところだな。




それはともかく、いよいよ紅葉の季節だ。カメラの手入れは入念にして、いつでも出撃できるようにしておこう。

<完>