2008.10.04 姥ヶ平 (その1)




今年は紅葉がフライング気味で推移していますヽ(´ー`)ノ



ニュースをみて若干慌ててしまった。なんと今年は例年より5~7日も早く紅葉前線が進んでいるらしい。10/1時点で既に姥ヶ平が色づいているとのことなので、早速出かけてみることにした。




姥ヶ平は茶臼岳の西側斜面をやや下ったところにある300m四方程度の小さな平坦地である。標高はおよそ1600mほどあり、北風の当たり具合と地形的要因から那須山塊でもっとも早く紅葉が始まるところとして知られている。ちょうど茶臼岳の噴気孔を見上げる位置にあるため、特に紅葉のころは撮影スポットとしての人気が高い。

地形的には那須の表玄関側=ロープウェイのある東側からは直接見ることはできず、いったん牛ヶ首を越えて下っていくか、茶臼岳西側の三斗小屋宿跡方面から上がってアクセスすることになる。一般にはロープウェイで上がって牛ヶ首を経由するのが最も近い。




さてこの時期は観光渋滞が激しいので、当然のことながら移動は早朝に済ませておく。山頂の駐車場はキャパが少なく6:30くらいにはもう一杯になってしまう。最近は徐々に競争率が激しくなってきているようで、日の出前に到着して余裕のつもりでいたら先客が以外に多くて驚いた。




空気は澄んでいるのだが風が結構強い。日が昇るを眺めながらまったりと缶コーヒーで時間をつぶす。



駐車場付近からみる茶臼岳東側の斜面。見頃にはまだ少々早いが結構色づいてきている。やはり報道のとおり今年はずいぶん紅葉の進行は早そうだ。





■ロープウェイで山頂駅へ




そんな訳で始発のロープウェイに乗っていく。徒歩なら2時間以上かかる行程をショートカットできるのは素晴らしい。おお朝日岳もかなりイイカンジに染まってきているな。




鬼面山の笹原と紅葉もイイカンジだけど逆光気味で撮影条件としてはよくない。帰路で光線の具合が変わった頃が撮り時かもしれないな。




山頂駅に到着すると、体育会系的な一団がさっそく脱兎のごとく登山道に突撃していく。筆者はというと、そんなに慌てたりはしない。姥ヶ平は早朝のうちは茶臼岳の溶岩ドームの影になって日が射さない。つまり早く到着してもいい絵にはならないのである。早朝ダッシュは駐車スペースの確保が出来れば充分で、その後はゆっくり登っても充分に間に合う。




そんな訳で巻き道をゆるゆると行く。草紅葉が美しいな。




この付近の紅葉は全面が赤や黄に染まるわけではなく、ガンコウランの緑の地色に赤や黄が一刺し加わるといった様相で展開する。高山独特の色づきというか、平地とはまた様相の違った趣がある。




赤く染まった部分をアップにすると、膝下程度の高さの小樹木がまばらに生えているのがわかる。環境が厳しいために成長が遅いだけで決して幼木という訳ではない。樹種はドウダンツツジの仲間が多い。




登山道沿いにはコメススキの一群も見られる。イネ科の植物でススキの仲間ではないらしいのだけど、見た目はススキに近い。砂礫地を好んで繁茂するようで、那須では茶臼岳の南面の登山道沿いに多く見られる。




茶臼岳~南月山の間の谷底を見下ろすと、ちょうど紅葉の盛りだった。通常ここが色づく頃には姥ヶ平はピークを過ぎているのだが、今年は長雨が続いた後に急激な冷え込みが来たせいか、広範囲で一斉に色づきが進んで同じくらいの染まり方だという。




■牛ヶ首へ




やがて牛ヶ首の尾根が見えてきた。始発便に乗ってきた脱兎組はもう尾根を越えつつあるようだ。こうしてみると結構な人数が乗っていたのだな。

※那須ロープウェイの定員は111人で、軍隊で言うと一個中隊くらいが乗れる




目指すのは姥ヶ平だが、岩場から見下ろす紅葉があまりに見事なのでしばし余計な休憩をとってコーヒータイムをとりつつ進む。よくみると谷の底と上が同じ程度の染まり方をしている。お行儀よくゆるゆると冷え込みがくる年だと高度によってグラデーションのように色づきが変化していくのだけれど、急激な冷え込みがきた年はこれが一斉に色づくので山全体が派手になる。今年はまあ、当たりといって良いのだろうな。



健脚であれば殺生石から高雄温泉経由でこの谷底を登ってくるコースもあり、そちら方面からアプローチした人もこれなら大満足なのではないだろうか。




と思いながら周囲を見渡すと、おお…数は少ないけれど健脚コースを登ってくる猛者がいる。




上を見上げると溶岩ドームぎりぎりまでやはり鮮やかな赤や黄が続く。




足元にはリンドウの花。この時期、定番の那須の花である。




そんな訳で、ゆっくりと牛ヶ首に到着 ヽ(´∀`)ノ




早々と南月山方面から戻ってきた登山者氏の話を聞くと、日の出平方面に浮気するのもなかなかイイらしい。・・・が、ここは初志貫徹して姥ヶ平を目指すことにする。


<つづく>