2009.01.18 スノーモービルで鬼怒川高原を走る (その2)
コースを進んで、新雪と山の組み合わせをゆったりと堪能してみる。こうしてみると、樹氷の健在な朝方の時間帯に、轍の一切無い景色を撮りたくなってくるな…。
ところで今回のレポートの写真、フルフェースのヘルメットをかぶっているため実は一眼では非常~に撮りにくて困った。いちいち脱いで撮るのも面倒なところがあって、誰かライダー用 "超ハイ" アイピースでも作ってくれないかな…などと思ってみたり。
さらにはスノーモービルにはママチャリのような荷物カゴは無いので機材の携行も結構大変だ。交換レンズなんて積むスペースはないので、標準ズームを付けたカメラ本体×1台を首から下げる以外に何も持てない。スポーツ用と割り切ってしまえば気にならないのかもしれないけれど、冬季撮影用の足としてはもう一工夫欲しいところではある。
さて折り返し点あたりに来ると、地形的にもぎりぎり断崖の縁みたいな所を通る。さすがにこの先の急斜面にゴルフコースは作れなかったようだ。
・・・
それにしても、見渡す限り筆者以外誰も走っていないというのは何なんだろう。ここはスキー場に一番近い宿泊施設(温泉+コテージがある)だけれど、みな朝一番でスノーモービルを楽しんでその後はスキー場にでも行ってしまったのかな。
やや、あそこに果敢にチャレンジして転倒した跡がみえる(笑) たしかに数時間前には誰かが走っていたんだ。
…でも午後の雪野原は、風の音がかすかに響くだけの、どこまでも静かなフィールドだった。
そんな景色を独占して、誰もいないフィールドをぐりんぐりんと縦横無尽に駆け巡ってみた。もう、あたりは完全なるプライベート空間…開放感だけはすばらしい。
電線も鉄塔もない、雪と山だけの景色もなかなか。
そんな雪原越しに、ハンターマウンテンスキー場を眺めてみる。そういえば昨秋、あの明神岳の頂上からここを眺めたんだっけ……
スキー場にくらべてこちらはこんな客密度で大丈夫なのかいな……と心配になってくるけれど、実は民事再生法適用でここの負債は清算(98.8%の債権放棄)されて現在は身軽になっているらしい。冬季の主な収入源はスキー場に近い宿泊/休憩施設としてのもので、スノーモービルはオマケみたいなものかもしれないな。
でもここの風景はオマケにしておくには少々もったいない。筆者は決してゴルフ場のマワシモノではないけれど、この白い景色のなかを走る爽快感というものは何とか伝えたいと思う。
さてそろそろコースも残り少ないのでマシンの写真も撮っておこう、と足をついてズボっと膝近くまで潜ってしまった(笑)
うまく設計されているもので、このキャタピラの設置面積で沈まないでいられる訳だな・・・
ところでスノーモービルは雪が深すぎても浅すぎても実は走るのが難しい。雪が無いのは論外として、深い新雪でもキャタピラが沈んでスタックしてしまう。以前、大笹牧場で乗ろうとしたら、写真的には理想の真っ白フィールドだったのにフワフワの新雪だったために 「今日はダメです」 と断られてしまったこともある。一番走りやすいのはやや圧雪状態で積雪20~30cmくらいのフィールドだそうだ。
そんなことを思い出しながら雪面を撮ってみた。風が吹けば煙のように舞い上がる粉雪は、結晶がキラキラと光ってなんとも美しい。
絵として見る雪、クルマで走る路面の雪、雪上車で走破する雪…ひとくくりに雪と言っても、いろいろな表情がある。それを表現するために即席の詩人にでもなってみようかと思ったが、どうにも語彙力が足りないらしい。筆者には、写真を撮るという方法論が一番合っているようだ。
さてそうこうしている間にレストハウスに戻ってきてしまった。ヤケに太いキャタピラ跡があるのは…スノーモービルではなく雪上車だろう。ここを越えて向こう側に行ってしまうとクロスカントリーコースになってしまうので、とりあえず本日の走行は一段落ということになる。
うーん、気分的にはもう一周くらいしたいところだけど、しかしそれだと時間オーバーで延長料金になってしまうので、ここでしばしぐりんぐりんと乗り回してから祈祷…じゃなくて帰投することにした♪
足回りがかなり凍りついたので、ライディングの後は温泉でぬくぬく。
温泉とレストハウスは結構な混雑具合で、やはりスキー客の休憩需要のほうが圧倒的に多いように思えた。たしか夏=ゴルフ場、冬=スキー場という役割分担がこの里の開発コンセプトだった筈だけれど、まあ冬にもゴルフ場にそれなりの来客があるのは結構なことなのだろう。
…とゆーことで、今回はここまで。
<完>