2013.09.22 草津白根山~志賀高原を行く(その1)
草津白根山から志賀高原まで走り抜けて参りました (´・ω・`)ノ
さて今回は群馬県から長野県に抜ける山岳路を走り抜けたレポートになる。ハイライトは草津白根山から志賀高原にかけての峠道で、ここは標高2000mを超える山上を整備の行き届いた国道で超えていける稀有な場所となっている。国道の最高標高の碑もあり、一度は挑戦してみたかったところなのだ(^^;)
■ きっかけは、紅葉チェッカーで捕らえた急激な冷え込みだった
さてこのコースを選んだきっかけは、紅葉チェッカーの草津白根レストハウス付近で急激な冷え込みが見えて 「もしかして紅葉が始まった?」 的な期待が膨らんだためであった。台風18号が日本列島を縦断した9/16に急激な寒気の流入があったらしく、最低気温が5℃を割り込み翌日には0℃近くにまで下がった。その後も5℃近辺をウロウロしていて、夏の空気が一気に入れ替わった傾向がみえたのである。
そんな訳で、栃木の山以外にもチェッカーでの判断が有効なのか確かめるべく、午前五時前に熊谷を出発して関越自動車道に乗ってみた。世の中の趨勢としては 「残暑もようやく和らいで~」 などとニュースで呑気に言っているような状況で、この時期に紅葉という認識はまだ低く、オンシーズンなら混雑していそうな関越道もまあこんな感じでガラガラであった。
渋川伊香保ICで一般道に下りて、中之条経由で7:20頃に草津に至ってみたが、車の通りは少ない。ただ道の駅に駐車しているクルマは中で寝ている人の姿がチラホラ見えて、温泉目当ての車中泊組はそれなりにいるようだ。…というか、これでは旅館は商売にならんのではないだろうか(^^;)
さて草津温泉街の標高は1150mほどあってそれなりの高度があるのだが、最低気温は台風襲来時の瞬間的な冷え込みを除けばまだ10℃を下回るレベルではない。木々の様子もご覧のとおりで、まだ幾分夏の気配を残したような緑具合であった。・・・はてさて、この先は大丈夫なのかね?
■ R292の山岳コースへ
草津温泉街からは、幹線道路であるR292に乗ったまま山岳地に入っていく。このルートは長野県側の志賀高原に抜ける一本道で脇道というのは無く、こういうところで渋滞にハマるともう脱出のしようがない。突入するには時間帯を読んで早朝アタックが一般的にはお勧めといえる。
…が、気合を入れて登ってみれば、やはりクルマは少なくて筆者は拍子抜けしてしまった(^^;)
草津温泉を過ぎると白樺の樹林帯がまもなく切れて視界がひらける。これは混雑スポットのひとつで白根火山ロープウェイの山麓駅だが、クルマはいくらか入っているもののせいぜい5、6台といったところだった。
やがて荒涼たる噴気地帯らしいものがみえてくる。このあたりが殺生河原らしい。
あたりは硫黄の香りが立ち込めている。クルマはとめるな、走り抜けろ・・・という趣旨の解説板があり、だったら何ゆえこんなところに道路を通したんだとツッコミを入れたくなるような場所なのだが(笑)、気にせずに登っていくことにする。
ロープウェイと交錯しながら、道はゆるゆると続く。向こうの果てにみえるのがロープウエイの山頂側駅らしい。あたりは笹原にモミの木?らしい針葉樹が点在している。草紅葉はいくらか始まっているようだ。
それにしても見事な笹原である。笹原は火山地帯でみられる植生の平衡状態のひとつだそうで、森が噴火で焼き尽くされた後に笹が進出してくると、急速に密生した絨毯みたいな原っぱが出来てしまい他の植物が入り込む余地がなくなってしまうらしい。
いったんこの状態にハマると植物相は固定してそれ以上の変化がなくなり、実際には個々の木々が成長~枯死を繰り返していても全体としては何百年経っても風景が変わらないという状況になる。
この笹原が、白根山では非常に広大な面積でみられる。筆者の自宅のある那須でも亜高山帯では笹原が見られるけれども、白根山は鋭い山容ではなく皿を伏せたように山全体がゆるく持ち上がった形状なのでそもそも亜高山帯に属する面積がとてつもなく広い。
そのおかげで、一見すると 「ここは日本ですか?」 というような不思議な景観が延々と続くことになる。高木が無いので視界がよく、天気の良い日にツーリングするには最高の場所といえそうだ。
こんな素晴らしい風景なのに、クルマはほとんど通っていない。360度の超絶風景を独占しているようで、なんとも気分は爽快であるヽ(´∀`)ノ
実際には観光客がいない訳ではなく、当初もくろんだ時間差アタックがうまく効いたことが後でわかるのだが(^^;)、まあ要するに "早起きは三文の得" という古来からの諺の本質を、いま筆者は堪能しているのであった。
■ 紅葉のナナカマド
さて道端で紅葉しているナナカマドをみつけた。まだ色づきは奔(はし)りのようだがいい色に染まっている。標高はおよそ1800mのあたりで、結論から言えばこのあたりから上で紅葉の "赤" がいい感じになっていた。
もうしばらく進み、「レストハウスまで4km渋滞注意」 の標識を過ぎるあたりから、紅葉の色合いが鮮やかになりはじめた。ざっと見渡してみたけれども、付近にみえるのはナナカマドばかりで、楓はほとんど目に付かない。つまりこの山の秋の主役はナナカマドで、これが笹原の緑の絨毯に浮かぶのが "白根山の紅葉" の基本的な景観と思えば良いらしい。
やがて火口(湯釜)の外輪部が見えてきた。頻繁に噴火を繰り返しているため植物はほとんど生えていない。火口周辺が白っぽいのは強酸性の噴出物によって土中の金属元素(鉄分など→土の色の元になっている)が溶かし出されて失われた結果だそうで、"白根山" の名はどうやらこの山肌の色具合から来ているらしい。
それを遠巻きに眺めながら伸びていく道路沿いの紅葉は、非常にいい感じに染まっていた。
これを見る限り、どうやら紅葉チェッカーは予測の仕掛けとしてはそれなりに普遍性があるといえそうだ。少なくともWEB上で紅葉情報がほとんど流れていない時期にこの端緒を掴んだのは 「してやったり♪」 とでもいうべき戦果といって良い気がする(^^;)
■ 草津白根レストハウス
さてやがて目的地の草津白根レストハウスに到着した。くどいようだが、この間、一切の渋滞なし(笑)
レストハウスの建物付近には既に先行客のクルマがいくらか停まっていたが、ちょっと離れるともうガラガラでキャパには余裕がありまくりである。時計を見ると時刻は8:20で、この頃までに到着できれば渋滞に巻き込まれることはないらしい。
それにしても、2000m級の火山の火口目前までクルマでひょいと登って来られるというのは仲々に凄いことだなぁ・・・(´・ω・`)
…ということで、さっそく火口を眺めに行ってみるか…と張り切って歩き出したのだが…
…なんだ、これは?( ̄▽ ̄)
なんと、有毒ガスが多いため現在は火口には近づけないらしい。本日のところは登れるのは西側展望台だけだそうな。うーむ…。
<つづく>