2023.01.01 初詣:大田原神社




初詣で大田原神社に行って参りました。



大田原神社はもう何度も訪れている定番の初詣先なのだが、今年も出かけてみることにした。実を言えば八溝神社とか鷲子山上神社とか境明神とか行ってみたいところは沢山あるのだけれど、誰もいない無人の暗闇でした……というオチになるのもアレなのでそれなりの人口密度のあるところで保険をかけたのである。




というのも、もういい加減にしてくれよと言いたくなる新型コロナの第8波が絶賛蔓延中で、感染者数がえらいことになっているのである。 変異を繰り返して弱毒化してきているとはいえ、この年末年始は毎日20万人が感染するというとんでもない状況になっている。こうなると小規模な神社では新年の儀を省略してしまうところも出るだろうし、ある程度は有名どころに限定しないと初詣が成立しそうにない。まあ、そういうことなのだ。



 

■ 大田原神社への道




さてそんな訳で、年の瀬もあと1時間を残すのみ・・・というタイミングでゆるゆると出かけてみた。クルマのモニターをポチポチすると、おお今年も紅白歌合戦が流れている。もはや能や歌舞伎みたいなもので、筆者にとっては古典芸能みたいなものだけど、世の中にはまだこれを必要とする人もいるのだろうな。



 
それはともかくゆるゆると走り出す。みな家でおとなしくしているのか、クルマの通行はほとんど無い。




■大田原神社




さてほどなく到着。旧大田原城に隣接する小高い丘陵に大田原神社は鎮座している。その歴史はなんと1200年。こんなところにも歴史あり。




・・・ということで、到着はしてみたものの案の定駐車場はガラガラであった。それに比べてなんと筆者の信心深いことよ(何)




とはいえそこは地元でも屈指の古刹。 社務所もちゃんと開いていて、新年を迎える準備はちゃんと出来ているようだった。




こういう宮司が常駐してきちんと存続している神社は、最近は稀有な存在だ。少子化に言及するまでもなく神職は人手不足が著しい。普段無人の神社は他の神社の神職が何社も兼任で受け持っているのが普通で、祭礼のときだけ臨時でやってくるというのがもはやスタンダードになっている。ここの宮司さんも、夜が明ければ周辺の神社を巡回して回るのだろう。




おや、市の文化財になっている手水舎をみれば、LED照明で水中花の演出となっているな。もっと保守的に運用しているのかと思いきや、時代は思いのほか早く変遷しているようだ。




その手水舎には疫病退散の呪(まじな)いとしてアマビエ像が飾られていた。そういえばコロナでいちばん有名になったのがこの神様だったな。

残念ながら退散とまではいかなかったけれども、感染後の致死率は当初の10%超から0.2%くらいまで下がって、インフルエンザ並みにはなった。そろそろ普通の風邪になってくれるとありがたいのだけれど。



 

■ 参道を行く




さて参道を進んでいくとぼちぼち人はいるようだ。駐車場にクルマは見えないから、集っているのは歩いて来られる程度の距離感の人々なのだろう。

ここはもともとあまり過剰な装飾はしない神社ではあるけれど、いつにも増して今年は簡素な様相にみえる。鳥居には松飾りも注連縄もなく、社務所前に簡易テントといくらか紙垂があるくらい。まあこのくらい簡素でも、氏子衆がちゃんと集まってお祓いを受けられるのなら良しというところかな。




拝殿まで来てみたが、やはり人影はほとんどない。年が明けるまであと20分くらいなのに、やはりコロナで人出は少ないのだろうか。




その拝殿には、あまり神社には似つかわしくない近代的なサーモグラフィが設置されていた。コロナ対策の一環ということになるのだろう。まあ松飾りに予算が回らなかった原因の一端ではあるだろうな(^^;)

ちなみに筆者の顔面の温度を計測してみると32.7℃であった。気温はほぼ0℃。これだと-4℃くらいオフセットが乗る勘定だから、42℃くらいの高熱があっても平熱判定になってしまいそうだが、まあそこはそれ(笑)




おお見れば拝殿脇の焼却炉ではお焚き上げの火がパチパチと上がり始めたようだ。地元民らしい人々がちらり、ほらりと姿を現す。




本来はこのあたりで歴史談義のひとつも書いてみたいところだが、今回はあまり新規のネタがない。気が付けば年明けまであと3分。ええ、ままよ。




■ 地味な年越し




そんなわけで拝殿前に戻ると、氏子さんたちがもう着席していた。あれ……どこから来たの、と思いきや、実は拝殿の裏側に通路が合って地元の方はそこからひょいとショートカットしてくるらしい。なんてこったい(笑)

……などと思っていたところで年が明け、祝詞が聞こえ始めた。とりあえず2023年の始まりである。もうすこし驚きと発見と、すこしばかりのスペクタクルが欲しいところだが、まあこんな地味な年越しも悪くないか。




ここで一般参賀の人々のお参りが始まる。筆者も五穀豊穣、天下泰平、財布の諭吉様の無限増殖などを願い、ついでに日本の敵の滅亡も祈願しておいた。




年が明けるとぼちぼち参拝者も集まってきたようだ。律儀にマスクをしている人が多いところをみると、やはりコロナは怖いらしい。




とはいえ、こうして毎年2年参りにやってくる人がいるというのは、なんだかんだといってもこの国に古代からつづく伝承やら信仰が残っているということでもある。誰から強制される訳でもないのに受け継がれていく行動様式。遡れば2000年ほども昔の弥生時代にまで至るこういう習慣というか風習が、日本という国と日本人を特徴づけている。それを考えると、つくづく面白いものだと思う。




ともかく、今年も平穏な年であってほしいものだな。
帰りがけに、いつもの如くお札とお守りをGET。 今年もゆるゆるといこう。


<おしまい>