■ 2005.11.22 湯西川温泉:平家の里(その1)




TVで秘境の温泉について放送していたので、近場にあって気軽に行ける秘境ということで、栗山村の湯西川温泉郷に行って参りましたヽ(´ー`)ノ




湯西川温泉は栃木県北西部の福島県に近い山奥にある。源平合戦の頃、壇ノ浦で滅んだ平氏一門のうち平重盛の一派が落ち延びて隠れ住んだという伝説が残る山里だ。上記MAPは那須塩原駅を基点とした経路だが、関谷から先はすべて山岳路である。



 

■まずは塩原を経由




塩原温泉までは比較的よく来るので途中の経路は省略(^^;) 紅葉は先週まででピークを過ぎ、木の枝もだんだん寂しくなってきている。




先週は超絶的色彩を誇った温泉街の紅葉も、すっかり落葉のフェーズに入ったようだ。こうしてみると、季節ものの風景はほんの一週間時期を逃しただけでシャッターチャンスが失われてしまうことがわかる。まさに一期一会。なかなかタイミングを見計らうのは難しいものだ。




とはいえ足元をみると、落葉してはいるものの葉の色彩はまだ鮮やかさを保っている。真っ赤な絨毯を敷いたようで、これはこれで趣があるな。




同じく落葉の川辺を見やると、これまた鮮やかな落ち葉が流れていた。こうしてみると「散る」 というのもまた日本の美のひとつのように思えてくる。




■藤原~五十里




さて尾頭トンエルを抜けて藤原町側の上三依に抜けると、一気に季節は初冬の様相となった。そのまま R121=西会津街道を五十里湖方面に向かって走る。

※2023 追記:ところで 「藤原町って何?」 と思われる方がいるかもしれない。これを書いた2005年当時は藤原町、栗山村という自治体があって、のちに平成の大合併でまとめて日光市に再編されている。




まだいくらか木々には葉が残っている。藤原町は南北30kmほどもある細長い町で中心部は南側の川治温泉~鬼怒川温泉付近にあり、いま通っている北部はさすがに未開の地(笑)とは言わないけれど原生林が多い。

原生林と人工林を見分けるいちばん簡単な方法は落葉~新緑の頃に山の色段差をみることだ。人工林は建築材として値が付きやすい杉や檜などの針葉樹を植えることが多い。これらは冬になっても落葉しないので、植林したとところと自然林(落葉広葉樹)の境界がよくわかる。




さて五十里湖にやってきた。渇水期になったのか湖に水はない。ここは南北5kmを越える細長い湖で、貯水量によってその末端部はダイナミックに伸び縮みする。ここを渡るといよいよ栗山村の村域に入る。




■栗山村へ




さて五十里湖からはR121から分岐するr249を進む。




r249は五十里湖に注ぐ湯西川の渓谷沿いに伸びる山岳路である。ひたすら山また山が連続する。




伝説に登場する平家落人は、こんなところを遡って源氏の追手から逃れたのだな。




今は県道としてそれなりに整備されているr249も、かつては崖っぷちを縫う巻き道のようなもので、21世紀に至ってもそのクネクネ具合は直っていない。




途中、竜神霊水なる湧き水をみつけた。




霊水というからには何かご利益でもあるかと思って一口飲んでみる。うむ、たしかにH2Oだ。しかしせっかくの霊水?も、案内板の出来がちょっと天然すぎてナニソレ感があった。




日光連山、宇宙のピュアな大神の御霊を・・・


……いやまあ、スピリチュアルな今風の流行を込めたい気持ちはわからなくもないけれど、せっかくの由緒ある古い土地なんだからもうすこし保守的な説明でいいんじゃないだろうか(笑)




足元には梵字の玉が設置されていた。さすがに 「ピュア」 とか書いてある訳ではなく、どうやら孔雀明王や大黒天を表す 「マー」 という種字であるようだ。元をたどればインド神話の神々で、悪を滅ぼす武の象徴みたいなものだな。


<つづく>