■ 2005.11.22 湯西川温泉:平家の里(その3)




■茶屋




さてせっかくなのでちょっと茶店に入ってみよう。




おお、クマーヽ(´ー`)ノ




ここにも、クマー。 ふだんなかなかお目にかかれない本物の毛皮が敷いてある。敷くのはちょっと勿体ない気もするけれど、ここではクマは(人を襲うので)狩猟の対象で、保護しましょうとかそんな扱いではない。




それはともかく、味噌田楽とコーヒーというよくわからない組み合わせのメニューで至福の一服。 どういうわけか田舎の休憩所で一服しようとすると、この組み合わせが多かったりする。 ケーキが出てくることはまずない。



 

■最後にちょこっと散策




一服した後は、平家塚を眺めてみた。平家塚とは落人たちが持ち込んだ所持品(鎧兜など)を土に埋めて隠したとされる場所だ。土盛りした塚は7つあり、上に楡の木とイチイの木を植えたという。

年月とともに木は大きくなって代替わりを繰り返し、今では土盛りの判別は少々難しくなっているが、かわりに石塔が置かれて目印になっている。平家集落からの距離はおよそ500m、落人が最初に居着いた頃の距離感としては充分に村はずれで、所持品を隠すには適切と判断されたのだろう。いまではその距離感が、駐車場の設置基準として準用されている。




そこから平家集落に向かって、少し温泉街を歩いてみることにした。




メインストリートから少し下って平家集落の下手まできた。

3軒の萱葺きの民家は蕎麦屋と民宿を営んでおり、立派に現役の住居として機能している。窓などはサッシになって近代化改修?されてしまっているが、人が住んでいる以上は仕方がないだろう。茅葺の雰囲気が残っているだけでもヨシとせねば。




平家集落の反対側に、川面に面した露天風呂があった。紅葉の赤のひとさし具合がちょうど良いアクセントとなって、究極の侘び寂びといった感じだ。




足元をみると、30cmくらいはありそうな岩魚が泳いでいた。滅茶苦茶に魚影が濃いのに驚く。 湯西川は渓流釣りの盛んなところだ。温泉街に沿った700mほどの区画は禁漁だが、それ以外はこれといった制限はない。もう産卵期は終わった頃だろうか、これだけいるなら当面は資源枯渇はしないだろうな。




正直なところあまり期待しないで来てみた湯西川だけど、ちょっとばかり見直してしまった。今度来るときには日帰りではなく泊まってみてもいいかもしれない。




山の端に暮れ行く夕日。
帰り際、本当に真っ暗になって困った(笑)

そういうところに落人の集落がある。美しくもあるけれど、いささか凄みもある。昔話にでも出てきそうな、そんなところのように思えた。


<完>