2006.01.01 初詣:那須温泉神社 (その1)





初詣に那須温泉神社まで行ってまいりました。




これまでは初詣というと大田原市にある乃木神社に行くことが多かったのだが、せっかく大河ドラマ 「義経」 絡みで那須与一も登場したことだし、温泉神社に行ってみるのも良いかな…と思い立ってみた。

那須温泉神社は殺生石に隣接する古社である。その縁起は舒明天皇の時代、年号も定まっていな西暦630年頃まで遡る。大和朝廷による支配さえ曖昧な頃から、ここには神社が鎮まっていた。その風情を見てみよう。




出発したのは年の変わる1時間ほど前。人通りのすくない那須街道を温泉街に向かって走る。そういえば紅白歌合戦も全然見なかったなぁ・・・。




道がすいているのであっという間に到着。ここは湯本温泉街に面している一の鳥居である。 もっと賑わっているのかと思いきや、温泉神社は雪の中で静寂につつまれていた。風はまったくない。底冷えのする境内だ。




上っていくと警備員が火にあたっていた。しかし周囲に人気はほとんどない。




社務所には先客が二人だけ。有名な神社なのに人は意外にもまばらだ。というよりも、人間というのは案外面倒くさがりで、二年参りで雪山まで出かけようなどと思う方が少数派なのかもしれない。




二の鳥居をくぐってさらに参道を進む。




風の音も人語も聞こえない、本当に静かな空間だ。雪を踏む足音だけがキュッ、キュッ、と響く。




そして、三の鳥居。静かなのも特筆すべきことだが、驚くべきことにこの神社にはいわゆるテキヤが一軒も出店していない。昨年まで毎年通っていた乃木神社は参道いっぱいに屋台が並んで、まるで縁日のような賑わいになっていたのにこの差はなんだろう。

※ちなみに後で那須町の方に聞いてみたところ、ここでは氏子だけで正月行事をやりくりするのが伝統らしい。神社のあり方としては正しく、外野がとやかくいうことではなさそうだ。




さらに進んでいく。灯篭に照らされた雪が幻想的に浮かび上がって、闇の中に続いている。足跡も何もない新雪面に、枝から落ちた雪が転がっていくらかの模様をつけている。 昼間と違っていかにもなにかがそこにいて鎮まっている…という感じがするな。




やがて本殿に到着。すでに20人ほどが集まって火にあたっていた。年が明けるまであと10分くらい・・・もう少し人が多いかな、と思ったが実につつましやかな規模だ。




薪のパチパチと燃える音と、炎に照らされて浮かび上がる雪と灯篭・・・こういう素朴な雰囲気は今となっては貴重な無形財産なんだろうな。


<つづく>