2006.0304 大田原:ザゼンソウ群生地 (その1)




ザゼンソウがいい感じになってきているとの話を聞いたので、大田原市の群生地を見てまいりました。ついでに羽田沼の白鳥もウォッチ~な記録♪ ヽ(´ー`)ノ




さてザゼンソウと聞いても野草に興味のない人にとってはナニソレ感があるのではないだろうか。ザゼンソウはミズバショウによく似た花をつけるサトイモ科の植物で、2月末~3月上旬頃に開花する早春を告げる花である。大田原市の天然記念物に指定されており、大田原市北金丸地区の湿地帯にまとまった群生地がある。




それではさっそく出発してみよう。群生地は奥州街道沿にちかく、今回は大田原市金灯篭を経由点としてに黒羽方面に走ることにした。




R461を黒羽方面に進むと、国際医療福祉大学を過ぎたあたりに案内板があり、表示に従って水田沿いの道を進むと一軒の農家の庭先に出る。




実は群生地はこの農家の私有地の一角にあるのである。入り口には数台分の駐車場が整備されており、群生地は無料で一般公開されている。




通路沿いには福寿草が咲いていた。なんともう蜂が蜜を集めている。啓蟄(けいちつ)は暦の上の話だと思っていたけれど、本当に虫が出てきているのにはちょっと驚いた。




それにしても、思い切り普通の民家の庭先だな。 こういう私有地の一部を解放してくれていることには、謹んで感謝をしなければならない。




群生地は土手を下った小川沿いにあり、木道を通っていく。




土手から一段下がったこの小川沿いの湿地が、群生地である。みればポツ、ポツと咲いているのが散見される。




これがザゼンソウ(座禅草)である。 別名達磨草ともいう。その様相が座禅をする僧に似ているということで名づけられたらしい。枯れ草の中から赤紫色の褒(ほう)につつまれた花が顔を出していた。一見すると非常に地味な花である。




木道と座禅草の位置関係はこんな感じで分布している。枯れ草に埋もれて見えにくい株もあり、また花の向きもばらばらなので、木道から写真を撮ろうとすると、なかなか良いアングルの個体を探すのは大変だ。

ところで 「群生ってこれだけ?」 という感想をもつ方もいるかもしれないが、実際の株数はこの10倍以上ある。ザゼンソウは開花率が非常に低く、そこに株があっても開花するのは5~10%くらいでしかない。だから見えている花は、とても貴重なのだ。




湿原を潤す水は透明度が高い。那須野ヶ原は広大な砂礫地でもあり水が浸透しやすいことで知られるけれども、そうやって伏流してきた水が湧き出すのがこのあたりの地勢となっている。




ちょっと頑張って低いアングルからも撮ってみた。足場が木道だとフリーアングルモニターの付いた機種でないと撮りにくいのだが、まあそれなりに撮れたかな。

似たような種類の植物としては水芭蕉などがあるけれども、水芭蕉はもっと低温の山間地でないと咲かない。人里にちかいところで見られるのは、やはりザゼンソウの方かな。


<つづく>