2006.0604 南月山のミネザクラ(その1)




さて今日こそは延びに延びているミネザクラの確認に行って来るぞ、と南月山まで登ってまいりました。




ミネザクラの群生地は茶臼岳と南月山を結ぶ尾根沿い、日の出平付近にある。標高は1800m前後あり、那須地方でもっとも遅くまで桜の見られる場所だ。 ここの気候は厳しく、特に冬季の風が強いため植物は人の背丈ほどまでしか成長できない。ゆえに桜も樹木としては小さめだ。



 

■まずは茶臼岳へ




さてそんな訳で、まずは経由地である茶臼岳を目指してみる。

それにしても…今年はあらゆる花の開花が遅れ気味とはいえ、例年5月中旬と言われている開花予想日から2週間も過ぎてしまうとかなり不安になってくる。 天候は前日から無情の雨。これで今週を逃すともう今年は絶望的だ。今回は雨でも何でも強行突破するつもりで早朝に出発した。




途中までは濃霧と雨のダブルパンチだったが、ボルケーノハイウェイを登りきったところで雲が晴れた。




なんと雨雲は低いところにあって、山頂部分は超絶快晴だったのである。きっと日ごろの行いが良いせいで神様がサービスを・・・いや、それは無いだろうな(笑)




ところで今回の写真はすべからく遠景に変な青みがカブっている。右半分はチャンネル別にレンジ補正したもの。撮像素子の感度的に 「マジですか?」 というのが正直なところだが、もしかすると紫外線の影響かな・・・と思ったりしている。

※カメラの撮像素子(CCD/CMOS)は人間の可視光領域外にも感度領域を持っていて、紫外線にも反応して色カブリを起こすことがある。通常はバンドパスフィルタで紫外線領域および赤外線領域をカットするのだが、環境光が強烈な場合はカットしきれずに感応してしまう場合がある。




理由として考えられるのはこの雲海だろうか。標高1300m付近に一面に広がっている。実はこれが目茶目茶まぶしいのである。上空から照りつける直射日光と、雲海から照りかえす光とがミックスした明るさはちょっと度を越えた強烈さだった。

カメラでヒストグラムをみると雲海は見事に白トビしている。仕方なくコントラストを弱めに設定し、露出補正で追いつかない分は帰還後レタッチで小細工することにした。それにしても・・・あとで雪焼けみたいにならなきゃいいんだけど(^^;)




ロープウェイの山頂駅から見る雲海は、まぶしいけれど景色としては絶景だった。中央に写っている小さなシルエットはイワツバメである。山頂駅周辺ではたくさん飛んでいた。




そんな訳で、とりあえず歩き出す。南月山は茶臼を巻いて牛ヶ首まで行き、そこから南下するコースをたどる。比較的平坦なコースであり、難易度は高くない。その途中、日の出平とよばれる平坦地付近がミネザクラの群生地である。

…それにしても、雲の下からは上空がこんな状態になっているとは予想もつかないだろう。今日登ってきた観光客は、珍しい光景が見られてラッキーだったといえそうだ。




前回来たときは雪解け水で臨時の川が流れていた沢筋(砂利の露出しているところ)も、すっかり乾いていた。高山植物のガンコウランも枯草色から緑の絨毯となっている。




緑の絨毯のところどころにピンクの花が点在しているのは、高山植物のイワカガミらしい。筆者は植物にはあまり造詣が深くないので単にきれいな花があるな…という程度でしか見ていないが、登山者の中には熱心に接写で撮影している人もいるので、もしかすると価値のある花なのかもしれない。




さっそく、日の出平の稜線がみえてきた。もう6月なのにまだ若干の雪が残っている。…それだけ寒いということなのだろうな。


<つづく>