2007.04.29 そろそろ新緑の那須(その2)




■世笹川~大島丘陵




さらに r68 を進むと世笹川を渡る。1998年の集中豪雨で大規模な水害が発生した後、ここでは護岸工事が行われ、水流緩和と流木対策を兼ねたスリットダムが9段ほど設けられた。ここに見えているのは世笹川2号堤で、ダムには小さな公園が併設されている。




公園には桜が植えられていた。まだ若木だが花はいい感じで咲いている。平地ではもう桜の季節は終わってしまったけれど、桜前線はまだこんなところで足踏みをしていたんだな。




若木であってもアップにすれば充分に美しい。




さらに進んで大島付近の丘陵地帯に至る。いつもならトウモロコシの作付けをしている頃なのだが、今年はまだ土を起こしていないようだ。これはこれで広々感があっていい風景だな。




この牧場の点在する風景の素晴らしいところは、まだ開発資本に目をつけられておらず、余計な商業施設がほとんどないことだ。 大島丘陵は範囲が広くr68から那須どうぶつ王国のあたりまでがみな大島だ。細かい地名がつかないのはその必要がなかったからで、ここにはそもそも大人口が住むことは想定されていない。




できることならこの無垢な状態が温存されることを望みたいものだな。




さてr68からr305に折れて那須山塊方面にゆるゆると行く。
あたりの牧草地にはタンポポが点在して、春らしい景観をかたち作っていた。




こんなに広々とした風景なのに、誰もいない。 観光とかレジャーという行為を "お金を払って何かを買う活動" と思っている人には、たぶん価値のないものなのだろう。

筆者はそれでいいと思う。

経済を回したい人には喧騒に飛び込む自由も回す自由もあるし、広々とした景色のなかでゆったりする暇人が居たっていい。うまく住みわけしていけば問題ない。




さてあまり山側に寄りすぎると渋滞エリアに入ってしまうので、模範牧場の牧草地を眺めたところで帰投フェーズに入った。




帰路は脇道に迷い込んで牧草地を見ながら行く。




それにしても、電線がない風景というのはいいね。




■広角の戯れ(笑)




さて真っすぐ帰ってもいいのだけれど、せっかく10-20mmをもってきているので愛車でいくらか戯れてみた。ワイド端10mmでもアオリをいれずに真っ直ぐ撮る分には歪みは少ない。




それが被写体に寄ると、広角特有のデフォルメ感がでてくる。 なかなか面白いレンズだけど、やはりクセが強いというか、使う場面に苦労しそうだ(笑)




同じく10mmで撮る牧草地。やはり広角だけあって広い。



 ■帰還




自宅近くに戻ってくると、夕日がちょうど山端に沈むところだった。 ここも誰もいないだたの水田脇で、しかしながらちょうど具合の良い三段構図の絵が撮れる。

さて本日を総括すると、オンシーズンのど真ん中でも混雑を避ける術(すべ)はあるし、お金を掛けなくても良景はたくさんあることが確認できた一日だった。 暇人には時間だけはたっぷりあるから、喧騒を避けつつ、ゆるゆるとやっていこう。


<完>