2007.06.29
沖縄紀行:琉球八社を巡る -2日目ー (その2)
■ 渡嘉敷島(とかしきじま)へ
さて天久宮から戻り、時間どおりに 「マリンライナーとかしき」 に乗り込んだ。ここから先は、あまり難しいことは考えずに景色を眺めることを主体に考えよう。
なお 「リゾートの話はいいから琉球八社について書けヨ(笑)」 という方は渡嘉敷編をスキップしてこちらに飛んで頂きたい。
今回の行き先は沖縄本島の西側30kmほどに浮かぶ慶良間諸島のうち、最大の島である渡嘉敷島である。最大といっても島の全長は9kmほどで、人口はおよそ750名の静かな島だ。
慶良間諸島は "ケラマ・ブルー" と評されるほどに海の綺麗なところである。水の透明度は世界有数ともいわれている。……といっても、今回は気合をいれてダイビングをするわけでもなく、ヌル~いまったり紀行なので 「静かな離島の雰囲気が味わえればいいや」 という程度の心構えでいる。
それにしても海の色が真っ青だなぁ。風も穏やかで波もなく、天候のコンディションは上々といえる。・・・途中、チービシ環礁のナガンヌ島が見えた。そのほとんどが白い珊瑚砂の砂洲でできた島だ。
実をいうと、筆者は最初はこのナガンヌ島でぼーーーーーーっと一日を過ごすつもりだった。 しかし沖縄在住の方の運営するとあるブログで 「あそこはマリンレジャーで観光化されすぎていて、渡嘉敷のほうが見所が多いよ」 とのアドバイスを頂き、「それじゃぁ~」 ……と行き先を変更したのである。
おお、島影が見えてきた。ちなみにマリンライナーは高速でかっ飛ばしているので揺れが結構強い。望遠で写真を撮ろうとすると手ブレならぬ船ブレ(なんだそりゃ)との闘いになる。しかも潮のしぶきが容赦なく飛んでくるのでレンズ表面が塩分でまだら模様になってしまうのである。……メカには厳しい環境だなぁ。
およそ40分ほどの船旅の後、渡嘉敷港に接岸。マリンライナーに乗船していた客はおよそ50~60人ほどで、大半は旅行業者の手配したマイクロバスに乗ってそそくさと散っていった。
筆者は単独行動なのでレンタカーを調達することにする。マイクロバスが去った後の待合所は、当然ながらがらんとして静かだった。
島に1件しかないレンタカー屋の前に咲いていたハイビスカスがいい感じだったので撮ってみた。ちなみに現地での呼び名は "アカバナー" だそうで、そのまんまとゆーか、素朴に過ぎる。
おもしろいことに沖縄では外連味のあるイケてるネーミングをするという発想があまりない。中継ぎ貿易で潤った商人の国の割に不思議な気もするが、朝貢貿易とスーパーの叩き売りの相違を思えば、まあそんな必要もなかったということかな。
■レンタカーで山道へ
レンタカー屋に入ると、そそくさと契約を済ませる。そしてGETした本日の戦友(とも) ダイハツ ミラ。筆者の懐具合を反映して、当然いちばん安いクルマを選んでいる(笑) そんな次第で、さあいざ往かん、南国の島路を・・・♪
ここで渡嘉敷島の地理について少し話しておこう。渡嘉敷は南北に長い島で、そのほとんどが山岳で占められている。耕作地は港のある渡嘉敷地区の周辺にわずかにあるだけで、基本的には漁業と観光で成り立っている島である。
幹線道路は島の中央を南北に貫く r186が1本だけ。あとは私道と林道が枝として幾筋か延びているのみのシンプルな地理だ。山岳地であるがゆえに高台に登れば隣接する座間味、阿嘉などの島までの展望が開ける。
何はともあれ、まずは海である。なにしろ、到着したばかりだが時間がないのだ。
遠浅の海を綺麗に撮るには 10:00~14:00 くらいの太陽の高い時間帯に、順光条件でできるだけ高い位置から見下ろす、というセオリーがある。もちろんPLフィルタは必須である。このうち順光条件というのがクセモノで、渡嘉敷島の写真スポットは西岸側に集中しているので正午を過ぎると逆光になってしまうのだ。
とにかく光線の具合のいいうちにこの島の2大ビーチ、渡嘉志久、阿波連を押さえておきたい。そんな訳で、r186を南に向けて走り出した。
渡嘉敷集落を抜けるとわずかばかりの耕地が見えてきたが、6月だというのになんと稲刈りをやっていて驚く。 そうか……ここは米の二期作ができるんだなぁ。
狭い島なので渡嘉敷港から渡嘉志久までは10分もかからない。さてどんな景色が見られるだろう。
<つづく>