2012.11.16 深山園地 ~塩那スカイライン(板室側)~(その2)
■園地をゆく
さて駐車場から先は徒歩の世界である。深山ダムを見渡せる展望広場があるというので、ひとまずはそこを目指してみよう。
ゲート脇の案内図によると、展望広場までは400mあまり歩けば良いようである。…が、これは平面図の上での話で、実際には垂直方向にも100mほど登ることになる。少なくともビジネスシューズやハイヒール(!!)で来るべきところではなさそうだ。
ゲートを過ぎると、ほぼ "すっぴん" 状態のパイロット道路が現れる。落石などは取り除かれており、ぱっと見る限り乗用車程度なら普通に通れる状態のようにみえるが…通行止めにしておくのは少々勿体ない気がするなぁ…(´・ω・`)
路肩には、植生復活のための措置らしい工事跡もみえる。何をどうしようとしているのか、公式な説明は無いので意図も見込まれる効果も詳細は不明である。…が、とりあえず片道一車線分の路幅を残して砕石のバリケードで埋めていく措置は、断続的に延々と続いているようだ。
その隙間に、案内標識がひとつ。
展望広場へは、ここを登っていけということらしい。
さて結構風が強いのだが、ここまで来たら登ってみるのが漢というものであろう。
ということで踏み込んでみたのだが、登っていくと雪の白さが目立ってくる。…今更ながら、この付近は日本海側気候と太平洋側気候の境界付近であることを思い出した。山ひとつ超える度に雪は深くなり、7kmほど奥の三斗小屋宿跡のあたりでは、冬季の積雪量は3~4mほどにもなるのである。ここはその入り口付近にあたる立地なのだ。
今はまだ11月で厳冬期にはほど遠いけれども、この寒さと雪雲の具合を見れば、あと2週間ばかりで通行止めの措置が取られようとしているのも仕方のないことかな…という気分になった。なにしろ今回開通した区間は路幅が狭く、除雪車はおそらく登って来られないのである。一般乗用車が腹を擦りはじめる積雪深度=15cmを超えないうちにゲートを閉めるのには、それなりの妥当性があるように思うのである。
吹きさらしの尾根部に出た。気温は本当に低い。雪はサラサラの粉雪で、菓子パンにまぶした粉砂糖のように木々の風上側に付着している。ときどき風が強まると、それがフサァ…っと煙のように湧き上がって流れていく。油断しているとこれがカメラに付着して水滴になってしまうので、上着の懐に抱えながら階段を上っていく。
■展望台
さて遊歩道の分岐部にやってきた。あと139mほど行けば展望広場であるらしい。
その最後の一山をえっちら、おっちらと登ってみると…
なにやら殺風景な休憩所に出た。
案内板によれば、どうやらここが "展望広場" であるらしい。
…なんだか、想像していたのとちょっと違うのだが(^^;)…まあ、遊歩道の終点としては、こんなものなんだろうなぁ。 立地としては、ゴヨウツツジの群落を見下ろす高台にあり、新緑の頃に来るとまた違った趣(おもむき)になりそうなところだ。
なお案内板ではダム湖(深山湖)が見渡せるような表記がされているのだが、実際にはかなり木々が繁茂していて、スカッとするような広大な見晴らしが得られる訳ではない。本日は遠景が雪でホワイトアウトしているので何ともコメントしにくいけれど、いい絵を撮るには周辺に少し踏み込んで視界の利くところを探す必要がありそうだ。
もう少し尾根筋を行けば視界の開けるところもあるのかもしれないが、風が強くなってきたので今回はここで撤退することにした。
…やはりここは、気候の穏やかな季節に来るのがいいのだろう。来春、ツツジの季節に再度リトライしてみるとするか(^^;)
尾根から降りてくると、未舗装のパイロット道路が日留賀岳方面にむかって伸びているのがみえた。この先にはまたゲートがあり、そこから先はもう徒歩の登山客も入れない。しかし塩那スカイラインの本当のハイライト=尾根筋を走る360度の視界の世界は、この先にあるのである。
…果たして、いつの日かそれが解禁される日は来るのだろうか (´・ω・`) うーむ。
<完>