2014.06.28 沖縄:久米島でシュノーケリングに挑戦(その2)
■ 朝が来た♪
さて翌日。相変わらず雲は多めだが、それなりに青空の望める空模様で夜が明けた。なんとなく写真がソフトフォーカス気味なのは特殊エフェクト…ではなく、単にレンズが曇っているものである(笑) …つまり、湿気は猛烈に高い。
ツアーの集合時間は7:50というので、余裕をみて30分前にホテルを出てゆるゆると歩いていく。行先はイーフビーチホテルの敷地内にあるイーフスポーツクラブである。
ビーチ沿いに広がる民宿街は島で随一のレジャー空間…ではあるのだが、その密度は御覧の通りで、実にのんびりとしている。未舗装部分の地面は砂地になっていて、どうやらここは砂浜の延長線上にあるらしい。
■ イーフビーチ
せっかくなので、途中からは砂浜沿いを歩くことにした。
日本の渚百選に選ばれているイーフビーチを行くのである。
砂浜は、とてもひろい。長さはおよそ2kmほどあり、遠浅の砂地が沖合まで続いている。
しかしこんなにきれいな浜ではあるけれど、ここがリゾート開発されたのは戦後になってからのことだそうで、戦前は誰も住んでいなかった。
そんなビーチに最初に目を付けたのはなんと戦時中の米軍だったらしい。大戦末期の昭和20年6月末、沖縄本島陥落後に一発の銃弾も撃つことなくのほほんと上陸してきて、そのままこの浜に居座り駐屯地が設けられたという。
…といっても、地形からみてここは軍港としてはさっぱり使いようのない遠浅の浜辺である。駐屯地とはいってもミサイル基地や飛行場がつくられた訳ではなく、保養所みたいな使われ方をしていたらしい。
戦後の沖縄返還のとき、その米軍が去った跡地を利用して、レジャーセンターが建った。これが後のイーフビーチホテルで、昭和50年頃にANA(全日空)の資本が入って、以降島の観光開発の中心施設となった。その後ホテルの周辺に旅館街+飲食店街が広がって現在の景観がかたちづくられている。
本土復帰後の沖縄リゾートブームでは、ANAグループははての浜に スカイホリデーリーフ なる名称をつけて大々的にプロモーションし、これが久米島の本格的な観光開発の端緒になったという経緯がある。のちにJALも参入することになるのだが、久米島ではANAのほうが存在感が大きい。
ちなみにスカイホリデーとはANAが展開している旅行ツアー商品のブランド名で、はての浜の名称をこれで上書きするのは21世紀的な感覚では 「なんだそのネーミングセンスは?」 といった感じだが、当時はそれで観光客が爆発的に増えたので現地の人も一口乗ったのである。
しかし2000年代にやってきた航空不況の余波でANAはホテル経営からは撤退(2006)し、今では砂州の名称は元の 「はての浜」 に戻っている。…筆者的には、企業とのタイアップ地名より、伝統的な名前を大切にしたほうが島のアイデンティティ的には好ましいと思う。
※航空会社のTV-CMの宣伝力は凄まじく、年間1200人程度だった本土からの旅行者はその後10年間で約70倍の8万人に急増した。これを見てJAL(日航)も久米島のリゾート開発に参入し、久米アイランドホテルが開業しているのだが、ツアーを組もうにも観光の目玉が "スカイホリデーリーフ" ではさぞやりにくかっただろう。 ちなみにJALも現在では撤退していて、結果としてそこそこの観光客があって、のんびりとした島の雰囲気も残っている…という現在の久米島の空気感のようなものが出来上がったらしい。
■ 受付、そして装備品の確認だだだ
さてゆったり、まったりと歩いてきたためか、余裕を見た筈なのに結構ぎりぎりな時間に受付場所に到着。ここからは、大人の面倒な事情からは離れて、楽しい内容にフォーカスしたい。
なお筆者はまったくの素人なので、慣れた人からみると 「どうでもいいこと」 を書いているかもしれない。しかしまあ、それも含めた旅の記録なので 「それはそれ」 としてご容赦頂きたい。(半分は後日の自分用のメモみたいなものだったり)
まずは事前に記入済みの用紙を渡して、所要装備を受け取る。初心者には使い方の説明があるので、分からないことは遠慮なく聞いてみると良い。
最初はライフジャケットを装着。これは出発前から着用して、帰還するまでずっと身につけておくことになる。ゲゲゲの鬼太郎のチャンチャンコの要領で羽織って、胸のところでベルトをロック。ついで股間にふんどし状のベルトを通して、これもロックしておく。特に股間はきっちり止めておかないと、水に入った時にライフジャケットに身体が埋没して初代ウルトラマン第23話に登場した怪獣ジャミラみたいな格好になってしまうので注意したい。
見れば水切りの良いメッシュタイプのシャツの上から装着している人が多い。筆者も海パンにメッシュのTシャツである。若い女性は長袖のシャツを着て日焼け対策をしている。
日焼け止めはもうこの段階で塗っておくらしい。筆者はさっぱりこの手のモノとは縁が無いので何が良いのか分からないのだが、とりあえずSPFの数字が大きいものが強力だというのでSPF50+の野郎向けの品をGETして塗り塗りしてみた。
結論から言うとこいつの効果は絶大で、いつもなら沖縄で海岸を歩くと一日で皮膚が真っ赤になってしまうところが、軽く腕時計の跡がつく程度の日焼け具合で済み、皮がムケるようなことはなかった。筆者は美容なんぞにはまったく興味は無いけれども、南国を歩くときのサバイバルツールとしてはコレは 「あり」 だと思う。
さて他の装備品についても聞いた話をメモっておこう。これがマスク+シュノーケル。ゴーグル部の 「度」 は近視基準で -1(視力0.5相当)~-8(視力0.01)まであるそうで、裸眼視力を伝えると適当なものを用意してもらえる。ただし左右とも同じ度になるので、左右の視力の違う人は平均値のものを使うことになる。
顔にフィットするゴム地の部分は、ぴっちりと隙間なく密着することを確認しておく。隙間があると水が入りやすくなるためらしい。マスクは安価な男女兼用品だと、女性に合わせて小さめにつくってあるのでゴツい男性には合わないことがある。このスポーツクラブでは身長からだいたいのサイズを推定して渡してくれるようだが、かならず出発前に一度は装着して具合をみておこう。
シュノーケルのマウスピース部はこんな感じになっている。いまどきの品はほとんど弁つきで、排水はラクにできるらしい。
そして、肝心の水中用コンデジ♪ 設定は既に水中用になっていて 「勝手に変更しないでくださいね~」 と念を押されてしまった。……まあ、このへんは借り物なのでおとなしく従うようにしたい。
ちなみに、初めてこのデザインを見たときは 「派手~!」 …と思ったものだが、実際に浜辺で使ってみると、このくらい派手でないとちょっとそのへんに置いたときに 「あれ、どこだっけ…」 ということになりやすい。そういう意味ではミリタリーテイストの迷彩模様などは、実はとんでもないデザインなのかもしれない(笑)
…で、以上の荷物をこんな感じのメッシュのバッグに入れて携行することになる。帰還するまでは個々人の管理責任になるので注意したい。(バッグのデザインは他の参加者も同一なので何か目印をつけておくといいかもしれない)
実際に持ってみると思った以上に大きくてかさばる印象だ。マスク+シュノーケル+フィンは安いセットなら\3000~\4000くらいからあって、何度も潜りに行くなら自前でそろえたほうが安上がりになる。しかし持ち運びとメンテナンス(事後の塩抜きなど)を考えると、レンタルの利便性というのは馬鹿にならない。…筆者的には、うーん…レンタルで十分かなぁ。
さて人数がそろったところで、野性味あふれるスタッフのねーちゃんが登場して出発前のブリーフィングが始まった。当日の時間割と注意事項などの説明が主である。本日の参加者は総勢約40名、船は2隻出ることになる。
なおダイビングやシュノーケルをしない人でも、タコメガネをレンタルして水中を見ることはできるので、必要な人はここで希望しておくとよい。
説明を聞いたら、さっそくバスに乗って漁港まで移動する。
ちなみにこの横長の写真はレンタルしたコンデジで撮っている。以降、この横長画面が出てきたら、このコンデジで撮っていると思って頂きたい。
■ いざ、はての浜へ…!
バスはホテルから1kmあまり走って泊漁港というところに入った。漁港…の筈なのだが、どうやら見渡すと実質的に観光船の基地として使われているらしい。筆者らは2隻の小舟に分乗して出航した。小舟で行くのは海がきわめて浅いためで、大型船だとすぐに底を擦ってしまうらしい。
漁港を出ると、まずは北に向かって奥武島に渡る橋をくぐっていく。
そのまま奥武島の外縁に沿って右回りに進み、岩礁地帯を抜ける。たぶんこれはイチュンザ岩…でいいのかな?
そこから先は、リーフの内海をするすると進んでいく。大きな波は立っておらず、静かなものだ。
やがて右手に 「中の浜」 が見えてくる。
…おお、本当に砂州だけの島だ。標高は…たぶん1mもないんじゃないだろうか。
※今回筆者は 「せっかく行くのだから」 と一番遠方で大きな砂州に渡るツアーに参加しているのだが、比較的安価なツアーは近場の中の浜に渡るものが多い。
望遠で目いっぱいアップにするとこんな感じである。なるほど…これなら、白い砂に青い海の景色を堪能するのには必要十分というか、行き先を中の浜にしても特に問題なく景観を楽しめそうな気がするな。
ちなみに現在のはての浜(帰りの飛行機から撮ったもの)を写真でみると、砂の堆積の仕方が少し変わったのか、国土地理院の地図で見るより中の浜は大きめのような気がする。歩き回れる範囲の砂浜状況は、狭義のはての浜とほとんど遜色がないんじゃないだろうか。
…そうこうしているうちに、一番奥にある狭義の "はての浜" が見えてきた。こちらも標高はほとんど無く、白い砂浜だけが続いている。特徴は…とにかく、ひたすらに長い。
上陸地点(ちょっとした休憩小屋がある)が見えてきた。船はスピードを落としてゆっくりと近づいていく。ここには桟橋などの設備はなく、船は直接砂浜に乗り上げて泊まる。だから大型船では近づけないのだ。
接岸地点に近づくと、海の彩色が半端ではない美しさとなった…♪
しかもちょうど青空も広がって、素晴らしい景観になった。天気の神様よありがとう!
…さあ、いよいよ上陸だ♪
<つづく>