2023.11.19 袋田の滝の紅葉(その1)




袋田の滝まで足を延ばしてを紅葉を見て参りました (´・ω・`)ノ



さて秋が深まり紅葉の季節になった訳だが、筆者の地元の紅葉のピークは過ぎつつあるので袋田の滝方面に出かけてみた。 途中、奥久慈の茶畑なども見たのでそれも含めてレポートしてみようと思う。




私事になるけれども今年は長いこと寝たきりだった父が他界して、葬儀やら墓の建立やら納骨やら相続やらで結構忙しい。さすがに葬儀をネタ記事にするのは不謹慎かと思うので控えるけれども、ようやく落ち着いたと思ったらこんな時期であった訳だ。

まあ人並みの送り方は出来たと思うので、そろそろ生きている人間の都合を優先させてもらおう。あの世に行くのが旅ならば、現世を行くのもまた旅だ。



 

■ 袋田の滝への道




そんなわけで、秘境というほどの距離感でもないので日が昇ってからゆっくりと出発。那須塩原駅を起点に R4 → r182 → r461 と進んで黒羽経由で大子方面を目指す。




このコースは途中までは臨済宗の古刹:雲厳寺に行く道であり、途中からr13に分岐して茨城県に越境していく。 ところで標識に 「雲岩寺」 と書いてあるがこれは間違いではなく、寺の名称が 「雲厳寺」、寺の所在する地名が 「雲岩寺」 である。日本の地名には当て字の相違が結構ある。ここもそんなひとつなのだろう。




やがてトンネルを通過、茨城県側に抜ける。



 

■ 奥久慈茶の里公園




茨城県側に抜けて3kmほど行くとやがて茶畑が点在する盆地に至る。このあたりが奥久慈と呼ばれる一帯で、栃木県側の黒羽須賀川とともに 「北限のお茶」 の産地を名乗っている。ここに "奥久慈茶の里公園" なる施設があるので立ち寄ってみよう。




周囲はとにかくお茶、お茶、お茶……といった感じだ。




細長い集落の真ん中あたりに公園は位置している。東西200m、南北200mほどあって結構ひろい。




おお、駐車場周りのドウダンや楓がいい感じで染まっているな。茨城県は栃木県より幾分か暖かいので那須や塩原がピークアウトしてしまってもまだ見頃を保っている。




こちらが物産館になる。とりあえず覗いてみよう。



入り口には看板娘のキャラクターがどーん。いまどきの観光施設にはもはやこういうキャラクターは必須であるらしい(笑) いやまあ、いいんだけどね。




物産館はお茶をテーマにしているだけに、並んでいる商品もひたすらお茶である。 お食事処もあるのだがまだ開店していなかった。そろそろ秋蕎麦がいい頃なんだけどな。




さてここでいくらかお茶の解説を入れておきたい。県境を挟んで数kmの距離感で隣接する大田原市(旧黒羽町)須賀川と大子町(奥久慈)左貫には、ほぼ同じ気候風土でお茶の産地が並立している。南方系の樹種であるお茶の木にとってここは北限にちかく、そのためか葉は厚めに育ち、冬季には休眠状態になって、春の新茶(他の産地より遅い)の時期に旨味の多い茶葉が採れる特徴がある。

茶の由来については、戦国時代末期頃に地元の仏僧が京都から茶の種を持ってきて植えたとの伝承がある。奥久慈側では西福寺の僧、黒羽側では雲厳寺の僧だと言われている。いずれにしても400年ほどの伝統があり、水戸藩ではここ(奥久慈)の茶の栽培を特産品として奨励していた。




統計でみるとお茶の産地としては静岡、鹿児島のツートップが圧倒的で、残念ながら栃木県、茨城県は生産規模ではランク外だ。奥久慈茶にしても黒羽茶にしても、栽培されているのは幅300m、長さ3kmほどの細長い谷底平野の一角で、流通量はすくない。

しかしながら筆者の素人味覚でもここのお茶の味はすこぶる良好で、下手な静岡茶などよりもよほど旨味があると思う。




お茶のパッケージはこんな感じで、栽培農家毎に独自のデザインがあり究極の "生産者の顔が見える農業" が実践されている。職員氏に 「どれが良いのですか」 と聞いても特定の農家を推したりはしないのだが(笑)、とりあえず 「特上」 を選んでおけば失敗はない。お茶は同じ銘柄(茶園名)でも葉の品質によってランクが異なる。経験上、銘柄買いよりはランク買いのほうが勝率がいい。




そういえば最近は奥久慈でも黒羽でも紅茶がつくられるようになり、店頭にも並ぶようになった。紅茶だからといって特別な葉が必要な訳ではなく、蒸した後に発酵させるかどうかで作り分けができる。 発酵を途中で止めると烏龍茶にもできるのだが、ここでは紅茶の状態にまでもっていってパッケージしている。




…で、筆者が何を買ったかというと今が旬だという秋茶にしてみた。お茶は新茶(一番茶)が一番旨くて、二番茶、三番茶と収穫を重ねるほど旨味は減ると言われているが、これは春の一番茶を荒茶(加工途中)の状態で秋まで低温熟成させたものらしい。あとで通販ページを見てみたら売り切れになっていたので、ここで入手できたのは運がよかったというべきか。



■ 茶室のある風景




店内を一巡りしたら、隣接する茶室も見ておきたい。ここでは伝統的な茶の一服を愉しむことができる。ただしまだ営業時間前なので今回はお預けだ。 敷地内を見るのはOKというのでちょこっとだけ入らせて頂いた。




おおなかなか良い感じではないか。敷地内の楓はまさに紅葉真っ盛り。




逆光で見上げるとすこぶる色の乗りがよい。ここは隠れた紅葉の良スポットなのかもしれいないな。




時間が許せば茶畑と一体化した公園のほうもゆっくり散策してみたかったが、今回の主役は袋田の滝なのでこのあたりで切り上げることにした。新茶の頃にくるとまた違った味わいがあるだろう。




そんな訳で、先を目指すことにしよう。


<つづく>