写真紀行のすゝめ:お出かけとか




携行品は少なめに


ここではお出かけに関する独り言のようなものを書いていく予定です。もちろん人様に思想を押し付けるつもりは毛頭ありませんで、自分はこうしていますけど皆さんはどうですかネ?というスタンスでゆるゆると参ります。最初は写真紀行などをやる場合の携行品から始めましょう。

……といっても、筆者の普段の携行機材は Nikon D780 に常用レンズのAF-S Nikkor 28-300mm ED + PLフィルタを付けっぱなしにして、ほぼそれだけ(笑) あとはバッテリーの予備と地図は持ちましょうくらいしか書くことがない(^^;) ……いや本当にそうなんですよ、貧乏くさいですけどw

でもそれで終わってしまうとあまりにも短い項になってしまうので、多少の蛇足をつけてみましょう。




荷物を持ちすぎて困る場合とは


荷物は軽いほうが良い、というのはデメリットを考えるとかなりハッキリと理解できます。小さめの交換レンズを1、2本くらいなら手持ちでもなんとかなるかも知れませんが、それをゴツいガジェットケースに入れて予備機と三脚もセットで……となってくると、行ける場所が限られてしまいます。

そういえば重量級の機材を持ち歩いている人は普段はクルマで移動して駐車場からせいぜい1km未満くらいがフィールドのことが多いですよね、それも足場の良いところ限定で。鳥撮をやっているバズーカレンズのおぢさんなどは道なき原野を往くのではなく、駐車場から100m未満くらいのところがフィールドだったりします。笑い話でもなんでもなく、そういうものなんですよ。

これが山岳撮影になるともっと厳しくなります。たとえば奥那須のような給水ポイントの無い登山ルートを行く場合、飲料水を最低2リットルは持っていないと1日行動するのは難しくなります。実は手荷物の中で最も重量がかさむのが水なのです。PETボトルにして最低500mLボトルx4本ぶん。余裕をみるなら6本くらい。これはなかなか大変です。




これらを無視して荷物を多くも持っていくと、結果的に機会損失になることが多いです。定番のルートからちょっと離れた谷筋に分け入ってみようとか、視界の通るガレの上側に登ってみようとか、そういうプラスアルファの踏み込みが出来にくくなるのですね。

そして特に交換レンズに顕著なのですが、せっかく持って行ったのにリュックから取り出して交換する機会はほとんどありません。いちいち立ち止まって荷物を取り出して交換するというのは結構な労力なので、結局 「使わない」 という結果になりがちです。何年も撮影を続けているとこういうムダがわかってきて、筆者は持ち物をかなり絞るようになりました。特にミニマリストであるつもりはありませんけど(笑)、フットワークは軽いほうが良いというのが目下のところの結論です。




遠征の場合はさらに大変


遠征で鉄道なり飛行機なりを乗り継いでいくつもの観光地をハシゴする場合、荷物が大きいと置き場所に困ります。筆者は遠征ではキャリーバッグ一個で全てを済ませてしまうので、荷物の外寸はあまり変わりません。しかし重量は地味に効いてきます。なにしろ移動中はずーーーっと引きずって歩いている訳ですから。

そんなもん現地についてから必要なものだけピックアップして残りは駅のコインロッカーにでも放り込んでおけばいいだろう、とは誰しも思うことですが、それはまったく誰でも思いつくことなので、実は観光名所のコインロッカーはいつも満杯です。しかもキャリーバッグのサイズを収納できる大型のコインロッカーはそもそも設置数が少なく、競争率はこれまた地味に高い(笑)。では駅周辺の荷物預かり所はどうか、というとこれも営業時間がせいぜい夕方5時くらいまでなので行動時間に制約が付きます。普段旅に出ない方にはなかなか想像できないかもしれませんが、大きな荷物を持っていていいことなんて何もありません。ホントにそうなんですってば(^^;)

まあ力技としてホテル宛に荷物を別送 (翌日配達とは限らないので要注意) してしまうとか、レンタカーを借りて移動ロッカー代わりに使うとか、ローカル鉄道沿いでは駅員氏に直談判して預かってもらうなどの方法もありますけれども、最悪の場合は自分でゴロゴロ引きずりながら歩くことを想定しておかなければなりません。このへんは計画段階からちゃんと対策を練って、軍事用語で言うところのロジスティクス(兵站)を考えておかないといけない訳です。




ストレージは要らない


さて荷物の中で、かつてはストレージを気にする人がいました。かつては筆者もそんな一人で、デジカメを使い始めた当初(2001年頃)には、ストレージ用途でノートPCをよく携行していました。当時はフラッシュメモリはまだまだ高価で、64MBとか128MB が個人用途で言う "大容量" だった時代です。当然すぐに一杯になってしまうのでマメにノートPCのHDDにデータをコピーしてフラッシュメモリをクリアしてやらねばなりませんでした。

それが現在では、256GBクラスのコンパクトフラッシュが数千円で買える時代になっています。筆者の現在の主力機 Nikon D780 では標準画質のJPEG画像(Size:L 6016x4016 pixcel)は1枚当たり約8~10MBで記録されます。256GBのSDXCカードを2枚刺しするとここに記録できる画像はざっと5万枚。毎日1000枚撮影しても1ヶ月以上撮り溜めることが出来てしまい、ほとんど磐石といってもいい容量です。これならもはや、ストレージの出る幕はありません。どんどん削ってしまいましょう。




忘れてはいけない "お土産" などの容積(笑)


さて遠征する場合にはお土産の輸送コスト(体積、重量)もついて回ります。独身者なら気にすることも少ないでしょうけれども、家族持ちだとお土産のグレードは家庭の円満を維持するための必要コストだったりします。 お土産の定番は世間的には日持ちのするお菓子類のようですが、これがまた箱の容積が結構あり、無理に詰め込むと潰れてしまったりするので扱いには少々困ります。

そんなの別送品にしちゃえばいいじゃん! …というアナタ、きっと彼氏彼女がいないでしょう(笑) お土産は手渡ししないと価値が落ちます。「旦那が私のために買ってきてくれた」 という付加価値は、実は意外に大きいのですヨ。