2006.0603 ゴヨウツツジ群生地(その3)







さて、そうは言ってもせっかく来たのだから遊歩道は極めてみたい。いくら不作の年でもまったくのゼロということはあるまい。




おお、あった。この木ならなんとか写真になりそうだ。




見ると、スキー場の担当者が設置したのか 「この木見ごろ」 の表札が ・・・w
このおかげで 「ああ、見ごろってこの程度の状態なのか」 ということがよくわかる。




花付きのよい木のそばでは観光客が滞留して即席撮影会になっていた。 それにしても…昨年を10とするなら、今年の開花状況は間違いなく1以下だろう。たまに出現する花の前は混雑していてなかなか花に近寄れない。




足場とかアングルをえり好みしている余裕はないので70-300mmの望遠ズームで無理矢理の撮影。こうしてみると、咲いている固体はそれなりに美しい。




ゴヨウツツジの 「ゴヨウ」 とは 「御用」 だと思っている人がいるがそれは誤用で、実は 「五葉」 である。写真でも分かるように葉が5枚で1セットで出るのでこの名が付いたという。花は白一色で、他の色はない。




花枝を追いかけながら咲いている株を探していく。こうしてみると、今年はやはり花芽そのものが出ていないことがよく分かる。ツツジの花芽は前年の夏ごろにはもう分化して原型ができているそうだが、これ以降の時期に害虫や日照の影響などで花芽が落ちてしまうと翌年は不作になる可能性が高いという。今年はまさにその最悪のパターンに陥っているらしい。




遊歩道をさらに進んでいく。ゴヨウツツジの木はまっすぐには伸びず、曲がったり這ったりねじれたり・・・と紆余曲折を体現したかのような樹相なので遠くからでもよくわかる。

それにしても、本当に花が少ない。3万本もあるという群生地で、歩道から確認できる 「開花した固体」 は十本程度しかみつからなかった。これはもう、壊滅的な不作年といっていいだろう。




探し回ってようやく見つけた手の届く高さの花二輪。ゴヨウツツジの花は山ツツジよりも小さく控えめなように思える。




しばらく歩いて開けた場所に出た。写真には写っていないけれども、このすぐ横にスキー場のゴンドラがある。ここはちょうどスキーコースの最上部にあたる。木の幹に巻いてあるのは衝突対策のクッションだ。




ちょうど雲がかかって霞んできたかな。

滑走スペースはもうばっさりと木が伐られて草原のようになっている。表土は残っており禿山になっていないだけマシな状態だけど、群生地のど真ん中をこれほど切り開いてしまってよかったのか、やはりちょっと考えてしまうな。


<つづく>