2010.01.30 草津温泉(その3)




■湯畑宵景




日が暮れて、空が群青色から闇へと変わっていく。スポンサーつきの旅行番組ならここで料理の紹介などが入るところだが、筆者はひたすら美味しく頂いたのみで、その後は風呂に直行である。




肝心の温泉は、人が多くてちょっと全景は撮りづらいので露天風呂の一部分だけ(爆) 昔から熱いことで評判の草津の湯だが、温調設備の整った現在ではホテル内でもローカルにラジエータやボイラーを使っているようで湯加減に過不足感はない。良くも悪くも管理が行き届いているというのは、こういうことなんだろうな。

ちなみに湯上り後に鏡をみてみたが、あまり美少年になった気分はしなかった。どうやら天下無双の草津の湯にもそのような効能はないらしい(まて)w




さて月も昇ってきたあたりで、再度湯畑周辺を見てみることにした。2月中はライトアップをしているというので、その状況をチェックしておきたいのだ。




おお、なんだか不思議な感じで浮かび上がっているな。




日が暮れて気温が下がってきたせいか照明効果によるものか、湯気の湧き方が昼間よりも激しくみえる。




周辺にはこんな電飾オブジェが並んでいた。綺麗といえば綺麗なのだけれど…草津温泉の歴史と伝統にマッチしているかというと、非常に微妙なところでコメントしにくい。せっかく歴史の長い名湯なのだから、奇策に走らずとも行灯か灯篭風のもう少し保守的なデザインでも良いと思うのだが…。




源泉側から見る湯畑。これでも湯気の少ない瞬間を狙って撮っているのだけれど、ほとんど水面が見えないくらいの湯煙である。あたりの視界もぼんやりとしたもので、これなら火曜サスペンス劇場(もう終わって久しいけれど^^;)でワケありの若女将がワケありの不動産会社社長をワケありのナイフで刺し殺しそれをワケありの仲居さんが目撃して狙ったように現れた休暇中の名刑事が解決する場面などにもうってつけだろう(なんだそれはw)。




そんな中でも存在感があるのは、やはりこの灯篭だろうか。周囲は360度旅館と土産物屋なので人工光は必ず入ってしまうのだが、湯煙の中に浮かび上がるシルエットなどはやはりイイカンジなのであった。




ちなみにこの赤っぽい色はカメラのホワイトバランスを "太陽光" にセットしているために生じるもので、一般的なフィルムカメラ(→デイライトタイプのフィルム)の発色傾向に近い。




ホワイトバランスを "電燈" に変更すると灯篭の石の色がそれなりに現物に近く映る。どちらが良いかは好みの問題と言えるけれど、筆者的には太陽光の設定で撮ったほうが味があると思うので、設定は戻すことにしよう。




一通り巡ってさて戻ろうか…とナニゲに土産物屋をみると、なんとかつて国民的アイドル(だった)リカちゃんがいつの間にか草津の若女将になっていた。風の噂によれば、彼女は全国津々浦々を職を転々としながら放浪しているといい、以前沖縄で見かけたことがあったのだがその後は消息不明だった。

それにしても流石(さすが)は昭和の乙女…まさかこんなところで旅館の社長を引っ掛けていたとは思わなかった。…実にたくましい限りである。

<つづく>